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詐欺破産罪


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詐欺破産罪について

詐欺破産罪とは、債務者が債権者を害する目的で破産手続の妨害行為を行ったことに対する処罰のことです。

▽債権者を害する目的で行う行為について

平成16年の破産法の改正で、詐欺破産罪は、次のように整理されました。

●債務者の財産を隠匿したり損壊する行為
●債務者の財産の譲渡や債務の負担を仮装する行為
●債務者の財産の現状を改変して、その価格を減損する行為
●債務者の財産を債権者の不利益に処分したり、債権者に不利益な債務を債務者が負担する行為
●上記のほか、債務者について破産手続開始の決定がされたり、保全管理命令が発せられたことを認識しながら、破産管財人の承諾その他の正当な理由がなく、その債務者の財産を取得したり、第三者に取得させること

上記はすべて、行為の主体に制限はなく、債務者、破産者の代理人、理事・支配人などの法人内で権限をもつ人、破産債権者が対象になります。また、行為の時期は、破産手続開始の前後を問いません。

▽刑について

法定刑は、10年以下の懲役または1,000万円以下の罰金(またはその併科)です。

ちなみに、客観的処罰条件は、破産手続開始決定が確定することです。

▽免責許可が決定された後で上記行為が発覚した場合について

そのような場合でも、詐欺破産罪に問われることになります。

破産者に詐欺破産罪について有罪判決が確定すると、破産債権者の申立てや職権で免責取消の決定がなされます。そうなると、破産者は当然免責の効果を主張できないだけでなく、残余の破産債権について弁済の義務が復活することになります。

関連トピック

破産法の否認権について

詐害行為の否認、偏頗行為の否認、無償行為の否認、相当対価処分の場合の否認があります。

▽詐害行為の否認

基本的には、破産者の詐害意思の立証により否認できます。

●破産者が破産債権者を害することわかっていて行った行為
・・・この場合は、時期に関係なく否認できます。一般的には危機の兆候があった日以降になると思われます。しかしながら、この行為によって利益を受けた人が、破産債権者を害する事実を知らなかった場合には否認はできません。

●破産者が支払いの停止や破産手続開始の申立てがあった後に行った、破産債権者を害する行為
・・・この場合は、破産者が行った債務の消滅行為で、債権者の受けた給付が、消滅した債権の額に比べて過大な場合に、その過大な部分だけを否認することができます。しかしながら、この場合も、この行為によって利益を受けた人が、支払いの停止があったことを知らなかったときや、破産手続開始の申立てがあったことを知らなかったとき、破産債権者を害する事実を知らなかったときは否認することはできません。

※詐害行為・・・ここでは、債務者の財産を安く売却したり、多額の債務を負担したりして、債務者の全体財産を減少させるなど、全債権者を害するような行為のことをいいます。

▽偏頗行為の否認

ある危機的状況が生じた時点からの偏頗行為について、否認することができます。

●約定どおりの弁済、担保提供予約にもとづく担保提供などの場合
・・・この場合は、支払不能になった後や破産手続開始の申立てがあった後にされた行為が否認の対象になります。しかしながら、債権者が支払不能や支払停止があったことを知らなかったときや、破産手続開始の申立てがあったことを知らなかったときは否認することはできません。

●義務がないのに既存債務のために、新たな担保を設定したり、期限が来ていないのに弁済したりするような場合
・・・このような場合は、さらにさかのぼり、支払不能になる前30日以内になされた行為が否認の対象になります。しかしながら、この場合も、債権者がその行為の当時、他の債権者を害する事実を知らなかったと証明できれば否認することはできません。

※偏頗行為・・・債権者間の平等を害する行為で、特定の債権者だけが弁済を受けたり、担保の提供を受けたりする行為のことです。

▽無償行為の否認

次のような無償行為について否認できます。

●支払いの停止や破産手続開始の申立てがあった後の無償行為
●その前6か月以内にした無償行為
●上記と同視できる有償行為

※無償行為・・・ここでは、破産者が行う何の対価も得られない行為、たとえば贈与や無償での保証債務の負担行為などのことです。

▽相当対価処分の場合の否認

不動産を売却した金銭を債務者が隠してしまうとか、流用する目的で売却することを知っていた場合に、否認することができます。

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